ブルゴーニュワインの感想

     所詮感想です。

4/21 Tさんシャンベルタンセミナー

この日はジュヴレのグランクリュをまとめのみすることがテーマ
でした。定期的に各村のグランクリュをまとめて飲むと、
感覚の調整になります。放置すると、イメージだけが先行し、
そのワインの実態とイメージがかけ離れていくような気がします。


1. Charmes-Chambertin 1998 Henri Perrot-Minot
2. Mazoyeres-Chambertin 1998 Henri Perrot-Minot

この日飲んだシャルムと、マゾワイエールは、
テクスチャーが荒く、いや荒いというより、
穏やかではあるものの、繊維が太い糸で編まれた
織物のようなテクスチャー。
双方余韻も適当なところで、少々残念。

この日のシャルムは酸が目立ち、果実などの内容が
しぼんでおり、一方マゾワイエールは果実などの内容が
それほど落ちていない。

僭越ながら申し上げると、
・テクスチャー ×〜△
・構造     ×
・ボリューム  △
・余韻     ×
・要素のバランス×
・各要素の質  ×〜△
で、どっちがよいなど、語るのも無駄に感じられます。



3. Ruchottes-Chambertin 1993 Christoph Roumier
4. Mazis-Chambertin 1993 Faiveley

上と同様に、リショットが酸が目立ち、他の構成要素が
乏しく、マジはバランスが良かった。

この関係性はリショットが上でマジが下にあることから、
マジのほうがより濃密になることに納得がいく。
先日飲んだヴォルネイでも同じようなことがいえ、
ミュジニー-ヴージョでも同じようなことがいえる。

そのことから、この関係性には納得がいくのだが、
一方で、上のシャルムとマゾワイエールの関係は
左右の関係であることから疑問がわく。


そこで地図を良く見ると、シャルムのほうが急な斜面で、
マゾワイエールのほうが穏やかな斜面になっていることが
見て取れる。

http://www.burgundy-report.com/maps/gevrey.pdf

やはり、これも穏やかな上と下の関係であり、
法則は成り立っているとみる。(Tさんがそういっているわけ
ではないので悪しからず。)


Tさんいわく、リショットとマジは混ぜるべきではないと
おっしゃるが、それはTさんの斜面・垂直ブレンド理論から
逸脱していると思う。
自分は、斜面・垂直ブレンド理論を必ずしも正しいと思っていない
のですが、複雑性を出すのであれば、良いと思っています。


なお、このケースにおいては、自分はブレンドしないほうが
いいと考えます。それぞれの個性があり、それぞれを
楽しみたいからです。だからシャルムとマゾワイエールも
混ぜないほうがいいと思うし、他も同じ。

じゃあ、どちらをとるかとなると、このできであれば、
マジがいい。マジはバランスがよく、エネルギー感があり、
何よりも内省的である点がいい。クロドヴージョに通じる
ものを持っている。



5. Chambertin 1992 Camus
6. Chambertin 1998 Leroy

シャンベルタンは、個人的には嫌いです。
複雑でリッチなのだけれど、反面、イロイロな味が混在し、
気持ちが悪い。

根が届く範囲の土壌に4種類の地層があり、
それが複雑さを生んでいる、というのは、納得させられそうに
なるが、なぜ、シャンベルタン周辺の区画で同じ結果に至らないのか
を説明できない限り、納得はしてはいけないと思う。


とはいえ、そういう思い込みをなくし、真摯にこの2銘柄に
向かってみると、次のようなことを感じる。

・カミュは濃厚な抽出がなされていなく、
 味わいに引っ掛かりがない。
 その反面、ルロワは炒りゴマのような香りが覆っており、
 味わいも少々青臭く、刺々しい。

・カミュは前回飲んだ2001年と個性に大きな差はない。
 蔵からエア輸送されたものであっても、インポータが
 運んできたものでも、同様に楽しめると思う。

・カミュの脱力感は、とてもいい。
 これ一本を淡々と飲みたい。
 タンニン、酸、甘さ、旨味、ミネラルのどれもが
 突出せず、やさしく調和している。
 インパクトもアフターも普通だけれど、
 普通さがやさしさに思える。

・双方、構造はやはり上記までの銘柄と比べ、
 石造りのしっかりした建造物を思わせる。
 よいと思う。



7. Chambertin Clos de Beze Non SO2 1998 Dominique Laurent
8. Chambertin Clos de Beze 1988 Faiveley


クロドベーズは、シャンベルタンと比べると、酸が高く、
エレガントに仕上がっている。
これもシャルムとマゾワイエールの関係と同じで、
横に並んでいるが、若干クロドベーズが高いため、
砂地土壌になり、この個性を生んでいると思われる。


赤いフルーツや小梅の香り、スパイス、スーボワが心地よい。
この日のクロドベーズと今月飲んだフェブレイのとピエールダモワ
のものを思い起こすと、共通するのは、よい意味で普通のワイン
あること。


ブルゴーニュのピノノワールのイメージを思い描くと、
それが、今月飲んだクロドベーズになっているように思う。
ちょっと前に飲んだ、Dr.マリオンのベーズも加えてもいいです。


ゆえに、意識をしないと無個性に感じて通り過ぎるワインであり、
普遍性が高いがゆえに無個性。
そう考えると、無個性というのは究極なのかもしれない。
そう思いました。