ブルゴーニュワインの感想 改めて、テーマ見直し中

     このブログと私は行き先不明です

2012.7.28自宅にて

環境:外気30度以上、曇り、室内:エアコンは26度で設定。
13:40ごろ抜栓。コルクの状態はよく、簡単に抜栓できた。
液面は高い。

1978年 Le Corton Domaines du Château de Beaune(Bouchard Père & Fils)

色は一見濃いが、量を減らしたりしてみると、エッジが淡く
レンガ色になっていることが確認できる。

1時間ほどは硬く、1時間経過したのちに開いてきた。
2時間目あたりで、ブラインドで飲んだら、86年リショットシャンベルタンと答えてしまいそうな、果実味がなく薄いのだけれど厳しくたくましい印象。ただ、花の香りがリショットらしくなく、ここに着目すると、リショットとは答えないのではないかということを話していた。
3時間あたりでは、コルトン クロドロワの印象に移った。バランスがよく、リショットから丸くなり、より花の香りが出てきた。
3時間半あたりからヴォルネイのカイユレあたりの印象にうつり、
4時間あたりから若干スケールの小さいデュジャックの妖艶な香りが出始めました。
その後、完全にボーヌの印象に変わった。

コンディションは全く問題なく、グランクリュにふさわしい透明感、余韻、複雑さを有していた。最近ではずば抜けた品質。この短時間で、ここまで印象が変わることに面白さを感じます。


1982年 Vosne-Romanee Georges Noblet(ネゴシアン)

コルクは壊れていないが、かなり緩くなっており、抜栓にはソムリエナイフのほかπ型の器具などを使い、時間を要した。コルクを見てみると短い長さであり、下部はモロモロであり上部0.5センチのところがワインに侵食されておらず強度等を保っていたように伺える。

味わいに関しては、傷もなく状態がいい。
抜栓当初はボディが貧粗であり、構成要素に目を移すとしっかりした酸味とちょっと甘い味わいを有しており、村名らしい味わい。熟成香のぶん楽しめるワインであり、多分、30分から一時間ほどでフェードアウトしていくだろうと見ていました。けれどそれは全く間違いでした。

あまり楽しめないと判断し、これを飲み続けてもあきそうなので、早々に半分をハーフボトルに移し、後ほど別の銘柄をあけようという話をしていました。ハーフはセラーへ。
1時間が過ぎた頃に、徐々に香りが開いてきて、案外へたれずこのまま変わらずにいくのかと思わされました。
2時間が過ぎた頃に、花の香りが入ってきて、「これ、エシェゾーの雰囲気じゃない?」「ああ、オフだからきっとエシェの若木や傷んだのを入れたんだね、さすがはノブレさんだ」というはなしをしていました。
そして、フルボトルのワインはなくなり、なかなかいいワインだ、もっと飲みたいということで、セラーにいれていたハーフを引き続き飲むことにしました。

3時間が過ぎた頃に、花の香りが落ち着き、今度はロマネサンヴィヴァンのしっかりしたアフタや引き締まった酸やバランスのよさが現れてきました。リトルロマネサンヴィヴァンといってもいいように思いました。ここあたりから騒然としてきました。
そして「一種類の味じゃないね」「複数の味がブレンドされている」「さすがはノブレさん、もう、きっと、RSVの植え替えの若木でも入れたのかもね」「この頃植え替えしていたっけ」「確かしているはずだよ」・・みたいな話をしていて、これ以上はないと二人とも確信をしていたのですが、4時間がたった頃、それもだまされていたことに気づかされました。

4時間が経過したころ、ヨウ土が支配的になり、マルコンソールやラターシュあたりの雰囲気を出し始めました。
もう、圧巻です。そこから、香り爆発です。軽い香りから、重い重厚な香りまでさまざまなレイヤーの香りがあり、複雑にして妖艶。部屋の中はその香りとル・コルトンのデュジャック香とが交じり合っていました。

このあたりになると、ゆっくり味わいたいので、10ml程度注ぎ、短いサイクルで楽しんでおりました。それが澱と交わらずできたのも、途中でハーフに上澄みを移し変えておいた結果でした。少人数で飲むのであればこの作戦は有効なようです。勉強になりました。

最後、澱を確認していたのですが、すごい香りで、まるでDRCのようでした。

総括すると、エシェゾー、RSV、ラターシュ&マルコンソールと徐々に南下しポテンシャルが低いものから高いものへと順に時間差で開いていったようです。

ボトルの澱をみてみると、ラベルの下の前面に2箇所、背面に1箇所澱がたまっています。
そのわりにラベルが最近張られたように美しく不思議です。


想像するに最近出荷されたものではないかと話していましたが、インポータ兼酒屋のLさんに聞いてみたところ、蔵元から直接買ったわけではないし、ラベルを下にして管理しているところもあるので、違うのではないかとのことでした。
真実は良く分かりませんが、ノブレさんがネゴシアンとしてDRCから落としたという可能性があるようにも思わされるほどすごいボトルでした。


単一区画で時間とともに香りと味わいを変化させたLe Corton。
多分ブレンドで複雑さを出した、ノブレさんのVosneRomanee。
ここまで変わっては、ブラインドは無理、そう再認識させられました。