ブルゴーニュワインの感想 改めて、テーマ見直し中

     このブログと私は行き先不明です

神の雫をよみました。

神の雫は、昔6巻ぐらいまでしか読んでませんでした。しかも人の家で。そのほかには、楽天ブログで感想を書いている人のブログをまとめ読みして、読んだ気になっていました。

その楽天ブログの感想ブログでは、どんどん悪くなっているというような厳しい指摘が弥勒菩薩あたりから多くなってきていました。自分は読んでもいないのにそのブログ主の方の意見に同調し、自分の飲んだワインや、紹介を持ちかけられたワインをそのまま紹介しているのだろうとずっと敬遠しておりました。そして、ワインをイメージで語るというのも、著者の思い込みで見えもしないイメージを、ご都合で拡大して表現していると思っていました。


ですが、先日、また、6巻くらいまで読ませてもらって、なんとなく続きが気になり、先ほど25巻の途中までよみました。



以前はワインの味わいや表現に関して正誤性を重視し、神の雫において、「そのワインに、そのような香りや表現があるはずはない」とか、「補糖の意味が異なる」などのテクニカルな点が気になっていたのですが、前者の香りや表現に関しては、もしかすると、著者が飲んだそのワインはそのような香りがしたのではないか、そういう感じ方や解釈もあっていいのではないかと思うようになっていました。そのため、どのような感想でも、それはひとつの真実で、楽しめるようになってきました。
またテクニカルな点は、言葉が足りなかったり、違っていたとしても些細な問題と解釈しています。そもそもにして、そういったことを学ぶ専門書ではないですので、どうでもいい事項です。

また、新世界のワイン紹介やメドックマラソンなどをタイアップという向きもありますが、商業誌であるため、しょうがない点です。むしろタイアップのなかでも著者が表現したいワインを選別して紹介しているようにも見え、評価していいと思いました。

そのほかご都合主義といわれる主人公の12使徒探しも、あれは、主人公が無知である設定ゆえしょうがないようにも思えますし、そうではなくても、著者は12使徒を標本分類的に選んでいるわけではないように伺えるので、体系的に導くものではないため、あのような流れで著者的には正解なのでしょう。



メドックマラソンの章に来ていますが、巻を追うごとに視点がメインキャラクターの成長にフォーカスされていき、良くなっているとさえ思います。とくにポテンシャルを頼りにしていた主人公が新世界の12使徒選びで惨敗した際に、12使徒選びにおける自らの目的をはっきりさせたのと同時に、ポテンシャルだけではいけないと悟ったのはとても素晴らしいと思いました。

自分は若輩者ですが、10年、20年、・・・と、濃密なワインの経験をしていかないとたどり着けない境地があると思うようになってきました。むしろ、ワインの生命力からすると、それでも足りないのでしょう。本来であれば主人公がゆっくり成長する時期に最高のワインを判別し、評価しなくてはいけない設定が、あのマンガの足かせになっています。
つまり神の雫の失敗は、タイムスケールを短く設定してしまったこと、そして、主人公を20歳そこそこのキャラクターにしてしまったことではないでしょうか

であれば、主人公の父を主人公にすればもっといい作品にできたのではないでしょうか。


ワインマニアからいろいろ言われているかと思いますが、著者の方には頑張ってほしいと思います

なお、1巻あたりは2000年のブルゴーニュを巻末で低く評価していましたが、25巻あたりでは、評価を見直しています。これはみんなワインの勉強中・・・ということの証左のようです。


【後日追記】
とはいえ、ワインのコメントに関して、ワイン名、ワインのコンセプトに影響されすぎている点は、漫画とはいえ、改善の余地がありそうです。