ブルゴーニュワインの感想 改めて、テーマ見直し中

     このブログと私は行き先不明です

ルロワ・ドーヴネ

1994 ロマネ・サン・ヴィヴァン ドメーヌ・ルロワ
1994 ラトリシエール・シャンベルタン ドメーヌ・ルロワ
1994 ニュイ・サン・ジョルジュ オー・ブド ドメーヌ・ルロワ
2001 ボンヌ・マール ドメーヌ・ドーヴネ
1989 ピュリニー・モンラッシェ レ・フォラティエール ドメーヌ・ドーヴネ
1989 ムルソー レ・ナルヴォー ドメーヌ・ドーヴネ
1994 クロ・ド・ラ・ロッシュ ドメーヌ・ルロワ
2000 ムルソー プレ・ド・マンシェ ドメーヌ・ドーヴネ
NV ジャック・セロス ブリュット・ロゼ

電車の中で、勢いで記述しました。誤字脱字はご容赦ください。

1989 ピュリニー・モンラッシェ レ・フォラティエール ドメーヌ・ドーヴネ

→右がフォラティエ、←左がムルソー・レ・ナルヴォー

フォラティエは嫌いです。
オイリーで重いし、果実一杯ですし、酸の美しさがない。
果実がたっぷりの89。
そしてこのころのルロワは濃い。以前同じものを飲みましたが、そういう感想でした。

それが自分のイメージでしたが、このワインはいい意味で期待を裏切ってくれました。
はかなげで、酸が低く、果実もオイルもうっすらと乗っている程度で品がいい。
余韻は短い(長くない)が、全体としてみると、非常に立ち姿が美しく、完成度が高い。
ワインは、スケール感やパンチで評価する考え方もありますが、それは現代を象徴する唯物的な見方であり、このようなあり方を高く評価するべきと考えます。
久しぶりにいい、完成度の高いシャルドネを飲んだと思います。

2000 ムルソー プレ・ド・マンシェ ドメーヌ・ドーヴネ
プレドマンシェは単純な構造で、ナルヴォーの半分の成分もない。野菜感が低いのは土地の個性・ヴォルネイの特徴でもあるが、酸が低く、芯がなく、チェリーを感じ、ふっくら感としたボディを感じる。そこにはピノノワールを感じる。

1989 ムルソー レ・ナルヴォー ドメーヌ・ドーヴネ
特にコメントなし。悪くは無いが、特に書くところもない。

NV ジャック・セロス ブリュット・ロゼ
最近のテーマは、シャンパーニュ
Yさんのワイン会では、いいシャンパーニュを出してくれているにも拘らず、自分は悉く、ブログに記載したりしませんでした。ですが、これからは書いていくことにします。

セロスはそれほどいいとは思いません。
とはいえ、それほど悪いとも思いません。
味わいの豊かさを優先した結果、透明感を犠牲にしていますし、期待する方向性にない。

今回のロゼは、結構上手く纏めてきたと思います。
ロゼゆえに酸は低く、芯が少なく、硬さがない分、ピノ由来のボディがあり、適度に複雑。そして軽くふわふわ感、実体の無さがあります。ピノとシャルドネが上手いバランスで構成されている、正確に言うと多分セロスの狙ったとおりのイメージで作られているように感じます。

香りは、香水と汗が混じったニアンス。そのイメージは、マトリックスのフランス人マフィア・メロビンジアン。怪しくて、きざで、シニカルで、男的なエロさ。男性向けではない。

1994 ラトリシエール・シャンベルタン ドメーヌ・ルロワ

グランクリュと呼ぶには不適当。
ワインの中に濁りとよどみがあり、清純さを欠く。
そこにジュヴレらしく、無機的なニアンスが加わり、
ラトリシエールの土の重さを感じさせ、
余韻が短い。

1994 クロ・ド・ラ・ロッシュ ドメーヌ・ルロワ

小さく薄くちょっとひしゃげた黒曜石のようである。
味わいは全て流れず、途中で止まる。
黒曜石であるのにも拘らず、その上部には派手な花が咲いている。ここの畑は、いつも質感と香りがアンバランスであるが、これを良いという人は、結構ひねくれているか、味が分かっていないとも思う。(失礼)いや、自分に分かっていない世界があるのかもしれない。どこか新世界的であるがそのようにもなりきれていない、ちょっと不安定な気分にさせてくれます。

1994 ニュイ・サン・ジョルジュ オー・ブド ドメーヌ・ルロワ

当初、そっけなく、ほんとにマルコンソールの隣り?と思わす朴訥さ。いや、朴訥というにはそこまで朴訥ではないものの、色気や、香りの上方への広がりを感じさせない。ラマルシュのマルコンソールを思い出させた。(ということはこれもマルコンソールか・・・)
ラマルシュも時間とともに華やかさというより妖艶さが表現されていた。
去年飲んだこのワインは、もっと親しみやすく、ジャイエ的なスパイスと80年代DRCの塾成香があり、楽しかった。このワインは、それほどでもない。と思っていました。

時間とともに果実が引き、タンニンがマスクメロンのようなネット上に取り残されて、その結果、目の粗いスポンジのような印象を覚えた。ざらざらして、若干不愉快。もうおわったのかな・・・と思い放置しました。個人的にはもったいないから、一気に飲むとか急いで飲むということが嫌いです。そもそもにしてアルコールは好きではなので、不要に摂取したくありません。

ところが時間が経過した後、そのワインは、見事にタンニンが引き、引くというよりも氷解し覆いがとれ、チャーミングなイチゴが現れました。それだけではなく、麝香も現れ始めました。ただそれ以上続くことは無く、そこで終わってしまいました。
結局、まだ飲み頃ではなく、あと5~7年は待ちたい、そう思わせました。今日のワインの中で最も長熟できると思います。

1994 ロマネ・サン・ヴィヴァン ドメーヌ・ルロワ

昨年か2年前に飲んだ94RSVには届かない。
このスケール感が5とすれば、万全とおもわれる過去のロットは40。
過去のものが大きく球体のようであるとすれば、今日のそれは平均的なスケール感。何とかグランクリュの面目を保ったレベル。そして圧倒的であった過去のロットがベルベットのようなテクスチャであったのに対し、こちらは所々破れている。
とはいえ相変わらずRSVらしく、妖艶な香り、香木、お香、麝香があり、酸がきゅっと最後につめを立てる。ちょっとかわいらしくイチゴフレーバもある。ここはリトルロマネコンティといってもいいと思う。完成度は高くないものの、その個性の完成度は他を圧倒している。リッシュブール、エシェゾー、グランエシェゾー。ある意味、完成度から言ったら、ラターシュよりもまとまっているようにも思う。(だからといって、ラターシュより優れているというわけではないのが、ラターシュのすばらしさであると思う。)
やはり、ヴォーヌはいい。

時間とともに、テクスチャーの破れは広がっていったが、こういうものもある。

2001 ボンヌ・マール ドメーヌ・ドーヴネ

ヴージョを境界線にして、南側のヴォーヌやボーヌは有機的で、北側のシャンボルやモレやジュヴレは無機的であるとおもいます。有機的なワインの古酒にはアンピトのオールドを、無機的なワインにはロブマイヤーグラス3があう思います。

ボンヌマールは全く個性が違いました。94はタンニンの量が多く、全体的にワインがつぶれています。即ちワインに軽やかさや伸びやかさや純粋さが欠けているのに対し、2001ボンヌマールはそれらを兼ね備えています。そして、果実味が豊かです。それは若さゆえ(といっても高々7年程度の差なので、やはり本質的に果実が多いのでしょう)またタンニンの量の違いもあるのですが、粒の大きさも異なり、木目も細かく、シルキーです。このスタイルはルロワが目指したかった一つのゴールと感じます。

このワインは一言で言うなら、切れ目のない流線型のシャープなボディをもつもの。そのボディは鉄ではなく、アクリルのような触ると軽くへっこみ押し返す質を持ちます。もしくは書道の達人が、良質な墨で書いた、細く優美な「し」の字の左右反対の文字。

時間とともに、スケールが単純に小さくなり、終わったと思いました。
これだから、近年のヴィンテージは早飲みだよな・・・、と思いましたが、その後、再度復活。スケール感は小さくなっているものの、透明感は高まり、よりあるべき姿に近づいたと感じました。

また、無機と有機のバランス感がとてもよく、さすがはボンヌマール。それは一見すると無個性のように見えますが、それは分かりやすくどちらかに傾いているだけであり、双方有している点に着目すれば、その偉大さが分かります。
こういったバランスのワインには、タンニンや果実を強く抽出しないスタイルが適切です。