ブルゴーニュワインの感想 改めて、テーマ見直し中

     このブログと私は行き先不明です

1995 苦悩

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1995 コルトン・シャルルマーニュ ボノー・デュ・マルトレイ

1995 ジブリー1級 クロ・デュ・セリエ・オー・モワンヌ ジョブロ

1995 ヴォーヌ・ロマネ レ・ジュヌヴリエール ドメーヌ・ルロワ

1995 エシェゾー コンフェロン・コトティド

1995 シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ ロベール・グロフィエ

1995 ラ・ターシュ ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ

 

95の特徴を整理をすると次のようである。

 ・香りが立たない
 ・酸は低いが、芯が強く、低音の響きに似たものがある
 ・果実は目立たない。
 ・黒い
 ・ゴツゴツして、ブロックを組み合わせたような、構造。
  小ぶりでややフラット。
 ・タンニンは今こなれてきている。さすがにラターシュまでくると、まだまだ。

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ボルドーグラス、②リーデルグランクリュブルゴーニュ、③ロブマイヤーⅢ、④アンピトワイヤーブルⅢを使って比較したところ、香りの立たないヴィンテージで、①②を使うと香りを取りこぼす。③はまあまあ、④のアンピトワイヤーブルⅢがベストであり、これなら、ルロワの村名に、ヴォーヌのムレムレ感を拾うことができ、へたらずいつまでも楽しめる。(①を使うと、ルロワの価値が10分の1くらいになる。)
95のような香りが立たず、比較的小さいヴィンテージは、口の閉じたものが良かった。

 

ヴィンテージを天と地の属性で考えるなら、90年代を見て、もっとも「地」である。
生命はこの世界に生をなし、苦悩を重ね、天を理解し、天に帰っていくものである。ただ、生物によって、どこまで地上に降りてくるかは異なる。大地に根を張る植物、空を飛ぶ蝶。
95はこの世界に深く根ざし、重い楔を打たれ、ゆっくりと歩く奴隷のようである。特に、ジブリークロ・デュ・セリエ・オー・モワンヌなどはその最たるものである。ラターシュは、雑踏を歩く商人か芸人のようである。苦悩は知りつつも、それに囚われず、精神の自由を少々持つ。さすがはルロワ、ヴォーヌロマネの下部の村名にして軽やかで温かみとエネルギー感があり、さらに自由を有する、詩人のようである。なおこの前飲んだジャックカシューのジュヌブリエールは似たような重い10年であったが、Jカシューの10年エシェゾーと比べても、軽くフワッとしたワインであった。それは生産者に精神性が欠如しているが故なのか、すべてではない。

そして、そんな中で、さすがはベーズ、地上から離れた神殿に存在し、静寂に包まれている。心が癒される。素晴らしい。