古酒、グラスについて
1990 エシェゾー コカールロワゾ・フローロ
醤油、アミノ酸の甘さ、えぐみ、ぺトロールに代表される酸化香、など、古酒にはよくある。また、90年代はいまより多い補糖や濃縮還元、激しい低温浸漬といった技術の利用など自然な造りとは正反対な境地にあるものが多い。
このワインは、古酒特有のネガティブな要素がなく、綺麗な果実味があり酸もしっかりしている。低温浸漬はしているものの、常識の範囲でいい。飲むとさーっと風のようにきれいに流れていき、10秒ほどしてから果実味が戻ってきます。すなわち貴族的なワインではないですが、素朴な果実味があり、縦に割ったような潔さがあります。
また90年は甘さばかりが目立つ経験があるのですが、これには酸がしっかりあることが珍しいです。これはエシェゾーだからなのでしょうか。
最近、上のバカラのグラスを使っています。
これまで口の閉じたグラスを愛用していましたが、このように、口が開き、底が浅く容量が少ないグラスというのは、ブルゴーニュの素朴な良さをストレートに表現してくれます。また底部から口まで内側に傾いていないことにより、液体の流れが自然で味わいにストレスを感じません。エシェゾーでもなかなかいいと思いましたが、特に、シャンボールのようなワインに関しては、こういうグラスがいいように思います。