マランジェの会
Marangesの会
マランジェはコートドール南端のアペラシオンである。1980年代に作られたアペラシオンでラヴァルはこの区画を評価しておらず、アペラシオンでは1級・村名・広域が定義されている。特級はない。
マランジェは飲んだ記憶がなく、ブルゴーニュ大全やテロワールアトラスにはコートドニュイに似ていると書かれている。濃くて飲むには数年待つ必要があるとのこと。
だが、土壌の個性、ラヴァルの評価の背景にあるフランスの思想など紐解きつつ、どう受け止めるか?
マランジェはジュラ紀の中期から前期、そのまえのTriasまであり、コートドールでも珍しい土壌となっている。土壌があたらしければ味わいは若々しく派手な香りと味わいにになり、古くなれば派手さすなわち張り詰めた果実感や高い香りは無くなるものの見返りとして複雑さが高くなる傾向にある。
必然マランジェには複雑さが期待でき、粘土質土壌の魚卵岩であるTriasの区画においては抜けるような爽やかさではなく、粘性と複雑さを期待することになる。
また、ニュイと比べて南にもかかわらず気温が低いそうで、必然と収穫が遅くなる=より複雑になる。
1.
2016 Maranges Le Saugeot / Edmond Monnot
2016 マランジェ ル・ソージョ/ エドモン・モノ
村名格。
Trias土壌(粘土・魚卵岩・黒)で380から320mにかけて南向きの斜面にある区画。
マランジェのTriasには、このル・ソージョの斜面と平地の区画がある。どちらも村名格となる。
ル・ソージョは、
香りは上らず、大人しい。
味わいは一口では表現できないものである。老成した龍のようである。
恐れ多くも表現するならば、口一杯にボリュームがあり、飲み込んだ後も味わいが留まり続ける。にもかかわらず、タンニンは優しく角がなく、気持ちがいい。タンニンも量が多くない。口に含んだ後レーズン・アーシー・シナモンなど感じられる。
16年であるにもかからず、果実を感じさせず、まるで若いが熟成したようでもある。
面白いのは
・斜面にもかかわらず、平地のようなキャラクタで、香りがのぼらず、重心がひくい。
・力強さとは裏腹に、タンニンが優しい。これは現代的な醸造による賜物で、抽出を減らしている効果
・樽熟期間は短い。
・農薬を使っている。にも関わらず伸びが素晴らしい。フラットにならない。
個人的にはワインに果実はいらないと考えている人なので、とても好みである。
2.
2015 Maranges Le Bas des Loyeres Blanc / Marc Bouthenet
2015 マランジェ ル・バ・デ・ロワイエール / マルク・ブーテネ
これもTras。
ただ、1のル・ソージョとはことなり、平地である。
平地であっても1と同じキャラクタが伺え、重量感がある。
シャンパーニュにおけるアイの横のキュミエールのボディを思い出させる。
これも好み。
3.
2015 Santenay 1er Cru Beauregard / Battault
2015 サントネイ 1級 ボールガール / バトー
4以下は、同じ生産者で、生産者コンタ・グランジェは、芸術家で、サボワ出身とのこと。ブルゴーニュのキャラクタではなく、個人的には受け入れられない。何がいいか全くわからない。
どれもTriasではく、ビオであるとのことであるが、1、2に感じた充実感がない。
土壌>斜面・生産者と、優先されるということであるようである。
4.
2015 Maranges Blanc / Contat-Grange
2015 マランジェ 白 / コンタ・グランジェ
5.
2015 Maranges / Contat-Grange
2015 マランジェ/ コンタ・グランジェ
6.
2015 Maranges 1er Cru Le Clos des Loyeres / Contat-Grange
2015 マランジェ1級ル・クロ・デ・ロワイエール/ コンタ・グランジェ
7.
2015 Maranges 1er Cru La Fussiere / Contat-Grange
2015 マランジェ1級ラ・フシエール/ コンタ・グランジェ
8.
2015 Maranges 1er Cru Les Cols Roussots / Contat-Grange
2015 マランジェ1級レ・クロ・ルソー/ コンタ・グランジェ