ブルゴーニュワインの感想 改めて、テーマ見直し中

     このブログと私は行き先不明です

ドミニク・ローラン来日セミナー2013(3)

メゾン ドミニクローラン
2009 ジュヴレ・シャンベルタン・1er・クロサンジャックV.V.

(メモ)
あの素晴らしい2005年に!?本当に欠けているものがないので、どうやって”出来た”かを辿るのは不可能にさえ思える。果肉が厚い。樽熟は他より4ヶ月長く2年。除梗なし。なぜVVか?100年の樹齢により幹が絡み合い、雨による水分の増減の影響を受けにくいためである。このワインは見て貰うと分かるとおり濁っている。それは果肉が厚くさまざまな要素が含まれているためである。その分複雑さがある。

(感想)
終始閉じていたが、非常に高いポテンシャルは感じる。
しかし、個人的には評価できない。
その理由は味わいの重心が高いところにある。
クロサンジャック、カズティエは、いつもそうである。フェヴレが作っても、ルソーが作っても、ドミニク(実際にはシルヴィエナモン)が作っても同じである。きびきびして美味しいが、値段を考えると空回り。

メゾン ドミニクローラン
マジシャンベルタンV.V(グランクリュ

(メモ)
ドミニクローランのポリシーを表現したきわめてシンプルな醸造により、熟したスタイルの長期熟成タイプ。マジの土壌は冷たいため果皮が厚くなりやすい。
Q.ルソーの09のマジはすでに熟成感があった。どう思われますか?
A.ルソーのマジの区画はあまりよくない。ルソーはトップスリー以外やる気がないですし。
Q.これは何時のみごろか?
A.あなたたちが生きているうちにはこない。

(感想)
やっぱり閉じている。堅い。ポテンシャルは感じる。

メゾン・ドミニクローラン
グラン・エシェゾーV.V

(メモ)
昔ながらの醸造法に由来する簡素さと自然さこそがドミニクローランスタイル。1926年に植樹されたブドウの木を含む。土壌には岩があり、エシェゾーとの境目の場所(斜面上側。垂直方向の土壌ではない。水平方向に広がる区画)。このワインはオールドローズの香りがあり、ロマネコンティを髣髴させる。違う点はロマネコンティほどボディと濃縮感がないことである。ここの生産者は昔から付き合いがある。つくりは完全除梗であり、私のポリシーとは異なるが、それしか作り方を知らないのでしょうがない。飲み頃は他のワインと異なり、早く来るだろう。10年ちょっとか。09は高いので、08をお勧めする。ポテンシャルは変わらない。

(感想)
芳香性の高いワインで、ボディが弱い。グランエシェゾーの上部を水平方向に持っているので、グランエシェゾーの良質な香りを独り占めしているといったところか。つくり云々より、畑が良いのであろう。こんな薫り高いグランエシェは初めて。大体もっさく、キャンディのように甘い。嫌いなワインの代表格であったが、グランエシェゾーを大きく見直すこととなった。トハイエ、ロマネと同じ香りというのはきっと言いすぎなのだろう、セールストークなので話半分にしておきたいです。しかしこれなら飲みたいし、熟成させても面白いと思う。(確かにそれほど持たないと思うが、早く熟成してよいともいえる。)

ドミニクの娘がきていて、下のクラスはほとんど飲まず、「早くグランエシェゾーを出してほしい」と請求していたそうである。とてもエレガントなワインで純度は圧巻。ルジェのクロパラやエシェゾーを買うくらいなら、こっちをお勧めする。

総括
総じて品質は高い。
ただ、ドメーヌローランものはわざとらしさを感じる。ワインより生産者の個性や意図を感じる。特にスリジェ。それにあまり持たないし、ポテンシャルもそれほど高くない。買ってすぐ飲む目的であればいいと思う。
一方メゾンものはスタンダードな味わいであった。ルソーやルジェなどのようにテクニックを感じさせない。お勧めは次の順。

1.グランエシェゾー(飲み頃:比較的早い)
2.ブルゴーニュ・ヌメロ・アン(飲み頃:はやそう)
3.NSG ヴォークラン(飲み頃:比較的ゆっくり)

グランエシェとブルゴーニュは買いたい。(けれどセラーに入らない)