ブルゴーニュワインの感想 改めて、テーマ見直し中

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ジャイエ

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1990 エシェゾー アンリジャイエ

・リューディはLes Cruots→Les Treux・Clos Sant Denisの順で地繋ぎ。

・黒糖フレーバ

・つなぎ目がなく、余韻が下に伸びる。90にしては酸を感じる。タンニンは丸い。

・ジャイエ曰く、「ピノノワールタンニンが多いストラクチャーのブドウであるから、タンニンを減らす必要がある」で、除梗、低温浸漬、新樽はタンニンを減らすことを一つの狙いにしていることが分かる。(しかし、ミルランダージュはそれに矛盾)。泥灰土のクリオ、標高の高いリッシュブールとクロパラントゥーで見出された手法といえる。(ByT先生)

・死んだ畑において、ここまでビオワインのような生命感があるのはすごい。セラーの天才といえる。(ByT先生)

・ジャイエはブルゴーニュで最初の醸造学校に通った人物。それまでなかった醸造学の考え方をブルゴーニュに持ち込んだ。周りの生産者は聞く人がいないので、ジャイエに聞いた。ジャイエは畑仕事は人に任せセラー仕事を行った。ジャイエ自身は徹底した科学者であった。ただ、他の学者とは違い感性も兼ねており、天才であったといえる。(ByT先生)

・ジャイエはヴィンテージ差が大きいと思う。(私)→ジャイエは畑仕事をしていないから、如実に表れる。(ByT先生)

・ジャイエの90年代はワインが衰えている。85エシェゾーは別格であった。(私)→同意。85クロパラントゥーはすごかった。(ByT先生)

 

 

 

目的は、家にある90年のエシェゾーをいつ飲むか、目安にするためであった。その結論としては、当分変わらないであろうから、枯れ果てるまで放置しておいていいと思う。

面白いと感じたのは、彼が、ピノノワールをタンニンが多いストラクチャのブドウと認識していたことである。それまでのブルゴーニュは、それまでのNSGに代表されるように(今は違うが)タンニンが強かったことが嫌であったのであろう。そういった意味では、さらっと抽出していた1900年前半以前と思想の出発点は同じであるが、とった手法がその時代に新しく到来した科学であっただけであり、ある意味、原点回帰を彼はしたかったのかもしれない。

あの時代に、革命を起こした行為は重要であり、ワインに歴史的意味があるといえるが、ただその価値が現在の価格と等しくない。平等にワインとして評価した時は、この90年エシェゾーは2~3万円であると思う。