ブルゴーニュワインの感想 改めて、テーマ見直し中

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ロマネコンティ周辺

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ロマネ・コンティを購入するヒトは、その真の価値を分かり飲むのか、はたまた神聖なものの周囲に発生する世俗の塊なのかだが、もはや異次元の価格になってしまっており、あのワインを真価が分かりそのためにあの金額を出せるという行為が矛盾なく成立するのかは、よく分からない。

そんな聖も俗も魅了するロマネコンティを囲う区画を一挙にいただく機会を頂けた。

◆ロマネ・サン・ヴィヴァン

・2002 ルイ・ラトゥール
・2001 ドメーヌ・ラルロ
・2002 フォラン・アルベレ

ロマネコンティの下部郡のサンヴィヴァンである。ルイ・ラトゥールは飲んだことがあるが、ラルロとフォラン・アルベレのサンヴィヴァンは飲んだことがなかった。その経験を振り返ると、ルイ・ラトゥールのロマネ・サン・ヴィヴァンは、リシュブールの下部のロマネ・サン・ヴィヴァンと比べて線が細く・軽い。香りも異なり軽い印象がある。

さて、この中で、リシュブールの下部のロマネ・サン・ヴィヴァンともっともニアンスが近いものは、位置と比例して、ルイ・ラトゥールであった。(つまり、ほかはそれ以上にリッシュブール側のロマネ・サン・ヴィヴァンと類似点がない。)

ルイ・ラトゥールが軽いのは当然であるが、ラルロは更に、軽い。フォラン・アルベレは濃いが一本調子で単調。フォラン・アルベレは、ロマネ・サン・ヴィヴァンはボディが重く強いものであるべきという考えがあり、小さいスケールのものを頑張って抽出していると推察される。センスがない。冒涜である。

ラルロは、最初はビオ特有の香りとラルロ特有の香りと茎の香りが支配的で、全く土地の個性を感じさせなかったが、時間とともにそれらはとび、オールドローズなど花の香りが支配的になっていく。2年前に飲んだ1966ロマネ・コンティを思い出させた。

整理すると次のような印象であった。
・香りにおける妖艶さ・複雑さ:リシュブール下部にある
・香りにおけるオールドローズ・フラワリーな香り:醸造によっては、ロマネコンティ下部・果実味:リッシュブール下部が強い
・スケール感:リッシュブール下部が強い
・味わいの複雑さ:リッシュブール下部が複雑

2002 ラ・グランド・リュ フランソワ・ラマルシュ

本日赤ワインで最も垂直性を感じさせたのはラ・グランド・リュ。もっともグランクリュらしいニアンスがあった。妖艶さはないが、朴訥としたニアンスが、ヴォーヌロマネ的でもあり、好感が持てる。更に20年ほど熟成させたら、非凡さが出てくるかもしれない。

2001 リシュブール ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ

スケールが小さく、香りにも華やかさはない。リシュブールにある、石の険しさがない。またビオ香がするのもマイナス。

2000年代のDRC赤をいただくのは初めてであった。これが近年のDRDか・・・、と。なんとクリーンになったものかと思う。それと引き換えにスケールも小さくなってしまったのだろうか。かつてのDRC香はない。DRC香を求めるのはテロワールではないので、あるべき姿に戻ったということだと思う。声の小さいワインであり、他のワインを交えず正対することで、見えるものがあるかもしれないと思う。なお、ロマネコンティとの関連性は見出せなかった。

2000 ラ・ロマネ

果実が乏しく、タニックで乾いている。特に鉱物感が際立っており、血なまぐささがある。残忍で歪である。見ようによってはボルドー的である。ここのワインは、いつもヴォーヌロマネしておらず、特殊である。ロマネコンティとの近さも感じさせない。

 

結局ロマネ・コンティとの近さを感じさせたのは、香りにおけるラルロと、総体としてのグランド・リュであった。下部のワインで香りというのはどうなのだろうか。ロマネコンティというのは、本来、軽いワインなのかもしれない。それを醸造技術ではなく収量を落とし凝縮したものが、あのワインなのかもしれない。経験不足なので、「かもしれない」である。

いい経験でした。