ブルゴーニュワインの感想 改めて、テーマ見直し中

     このブログと私は行き先不明です

エレガント・テツ

1969 Chablis Grand Cru Chateau Grenouille Testst  Domaine Testut

インポータ:ジャパンインポートシステム

販売店:中田屋

 

先日はひどいワインだった。あんなワインを飲むと、もう古酒はこれっきり、と思ってしまう。といいつつ、本日もまた古酒を開けた。2度あることは3度あるというので、今日も変なワインかな~と思っていたのですが・・・・

とんでもなかった・・・

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コルクを開けたとき、リコルクされていない45年前にも関わらず、ボロボロになっておらず綺麗に抜ける。コルクは生きていた。抜栓したのちに香る芳香は、尋常ではなく、低いレイヤーで漂う。

グラスに注ぐと、重厚なキャラメル香と冷たい指す石灰的ミネラルが広がる。

香と裏腹に味わいは軽く、酸が高く、余韻がとめどなく長く続く。余韻と合わせて、微かな苦味が、アクセントのように繰り返し繰り返し続く。苦味を観察すると、キャラメル香に反して、甘みがほとんどないことに気が付く。

色からすると既に酸化していて濁って死んでいるようにも見えるが、そんなことなく、ワインは鮮烈な透明な石灰のミネラルを放つ。

 

マリアージュというのは基本的に、どんなワインでも何かとマリアージュするというものでもないように思う。このようなレベルのワインにおいて、食事を高めることが可能である。フェルミエのチーズでいくつか楽しんだが、それはそれは・・・。チーズに生姜醤油を付けてこのワインと合わせると、ワインの苦味、チーズのうまみとクリーム、生姜の苦味、ワインの包み込む余韻、ミネラルの透明感とがかわるがわる現れる。なかなか体験できない世界である。

 

この69には、70年代、80年代、90年代にはないつくりで、むしろ今の造りがここに回帰しているようにも思う。70~90年代は黒歴史なのかもしれない。