ブルゴーニュワインの感想 改めて、テーマ見直し中

     このブログと私は行き先不明です

ダヴィッド・レクラパールのエクストラ・ブリュット

ダヴィッド・レクラパールのエクストラ・ヴリュットを飲みました。もっさい味の中に芯の強さがあり、1週間では落ちない強さがあります。また、ほのかな甘さもあり、これ、本当にドサージュされていないの?と思いました。

 

インポータサイトでは、ドサージュしていないと書いてあるのですが、ワインライターの山本さんの記事

飲むべきブラン・ド・ノワール、考える自然派ダヴィッド・レクラパール - ワインレポート

を見ると、

 「ラルティスト」(収穫年2009)は樹齢30年から40年の2区画から。青リンゴ、キウイ、セージ、弾けるように快活で、レーザー光線のようにまっすぐで正確。ほのかにムスクのタッチがあり、チョーキーなフィニッシュ。鉄製タンクと中古樽の半々で発酵。エクストラ・ブリュットだが、ドザージュはゼロに近い数グラムだろう。

と書かれています。確かにダヴィッド・レクラパールのワインのラベルは、「ExtraBrut」と「PasDose」(ドサージュしていない)と書かれている2種類があります。あえて、この2種類があるのであれば、インポータはドサージュしていないと言っているのですが、実際には、「ExtraBrut」はドサージュしているのではないかと思いました。(甘さも感じましたし)そこで、インポータさん・ヴォルテックスさんに聞いてみましたところ、

お問い合わせ頂きました件ですが、ドサージュはしておらずノンドゼになります。エクストラ・ブリュットの表記に関しましては、万が一、やむを得ずドザージュをしなければならない場合を想定したためですが、これまでドザージュをするべきだと感じたケースはありませんので、ノンドゼでもエクストラ・ブリュットのエチケットを使用しています。

 とのこと。ということは、エクストラブリュットでもノンドゼということで、一件落着です。すっきりしました。

 

なお、ダヴィッド・レクラパールは、ビオディナミですが、ダヴィッドといえば、イコール、ダビデダビデといえば、ダビデ王やダビデの星六芒星)ですよね。六芒星といえば、シュタイナーでは天と地が交わる人を意味する記号です。んんん。

2016年最後のワイン会

今年の最後のワイン会はWさんと。
いつも、面白いワインありがとうございます。

 

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2005 ムルソー ペリエール メゾン ルロワ
ブラインドで。ムルソーといえば、ワインに芯があることが特徴で西に行けば豊満になり中央で筋筋になります。ただ、グットドールは特異点のようで芯が全くなく土壌があそこだけ全く違うのかもしれません。

 

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NV CHAMPAGNE CUMIERES PREMIER CRU BRUT NATURE GEORGE LAVAL

シャンパーニュは味がいびつであることが多い気がします。それを隠すためにリキュールを入れているため、さらに歪む。アビーズにリキュールを入れるとか。そのイメージを見事覆すように引っ掛かりが無く、繊細で、上品。
05シャルム・ルソーに1滴だけ入れたところ、一滴なのにもかかわらず、
味がCUMIERESになりました。つまるところ、CUMIERESは上品であるにもかかわらず個性が強くシャルムより格が上であると思います。
ありそうでない、CUMIERES、いままでありそうでなかったシャンパーニュです。上品でありながら強い、最高!!!

ラターシュ

2013 LA TACHE DOMAINE DE LA ROMANEE-CONTI

アタック・ミッド・アフターにかけて終始優しくエレガントに進む。酒質は軽く、力強さやインパクトを求めて飲んだ人は拍子抜けする。全房発酵由来の果梗、銚子、スパイシーな香りがある。2000年以前のウィスキーのような香りであるDRC香が、この2013年ではほんの少々しかありません。隣の2000年前半あたりから参加されている方の話では、13年は近年のヴィンテージに比べてDRC香がある方だと言われていました。

DRC香以外では、キャラクターは同時に飲んだヴォーヌロマネ1erショーム(パカレ)と似ていました。ただ、ショーム自体、ちょっとショームらしくない軽さで・・・・、ラターシュが軽いことは分かっていましたがその下のショームまでがここまで軽いものだったのか、それがこのラターシュを含めた上下の個性なのか、興味が出てきました。

 

とはいえ、20万を超える価格で売買されるこのワインが、2万以下のショームと大差ないということに驚きです。2000年以前の特殊仕様ワインならいざ知らず、別にラターシュじゃなくてもいいじゃないですか!ブランド料をショームに足して、3万円がリリース価格が適正と思います。

 

2013 Charmes Chambertin
 (シャルム・シャンベルタン) 赤
 生産者:Claude Dugat(クロード・デュガ)

この1週間前にクロドベースとシャンベルタンを飲んできてシャルムと比較すると、いかにシャンベルタンとクロドベーズが偉大な区画かが良く分かります。いかに優秀な生産者が作ろうと土地の偉大さを覆すことはできません。他のワインでもそうですが、”アペラシオン越え”はできません。生産者は偉大さを作りだすことはできません。

 

2013 Bourgogne rouge  Domaine Ramonet

この日このワインに一番好きなワインはこれでした。
シャサーニュから作られたACBourgogneです。
良い点は、ブレットであること。(結構好きです)そして肩の力が脱力していること。そして、チャーミングで愛らしいこと。これが3千円ならいいのですが、5千円というのはアンマッチで残念です。ルーミエのACブルが好きならこれもいいんではないでしょうか。

宝石との類似性

七つ屋志のぶの宝石匣

https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%83%E3%81%A4%E5%B1%8B%E5%BF%97%E3%81%AE%E3%81%B6%E3%81%AE%E5%AE%9D%E7%9F%B3%E5%8C%A3-KC-KISS-%E4%BA%8C%E3%83%8E%E5%AE%AE-%E7%9F%A5%E5%AD%90/dp/4063409406/ref=sr_1_3?ie=UTF8&qid=1479127812&sr=8-3&keywords=%E4%B8%83%E3%81%A4%E5%B1%8B%E5%BF%97%E3%81%AE%E3%81%B6%E3%81%AE%E5%AE%9D%E7%9F%B3%E5%8C%A3www.amazon.co.jp

を読んで、ワインとの相関性を考えてしまった。

《作られる課程》

■共通項■双方に大地からとれ人の手によって加工されます。原石は長い年月をかけて生成され、潜在的な品質が”大地”によってきまります。また宝石のデザイナー、ブランドで購入者は評価が変わります。石そのものの価値よりもブランド、メーカが重要視されたりします。
ブルゴーニュでも大地が大事なはずなのに、「ブルゴーニュは生産者で選べ」と語られたりします。DRCやジャイエやルーミエなどもブランドで、それを有り難がられています。

《歴史》

■共通項■作られた宝石は、「アレキサンドライト」のように「ロシア帝国皇帝に献上された日である4月29日が、皇太子アレクサンドル2世の12歳の誕生日だったため、 この非常に珍しい宝石にアレキサンドライトという名前がつけられたとされている」といった物語がつき、物語性が喜ばれます。まるでレザムルーズなどの物語性のようです。

《使い方》
■共通項■誕生日、結婚などの記念などに送られたりします。またパーティや儀式で着飾るために使われます。それらは権力の象徴であったりし、権力者が身につけます。
ワインを記念日に開けたり、こどもの生まれた年のワインをかって送ったりパーティでふるまわれたりしますね。ロマネコンティなど権力者の象徴だったりもします。


■ワインについて■ワイン愛好家がいて、その人の記念日であればあけようかなとは思いますが、家族が誕生日だから、結婚記念日だからといって、ワインを開けようとは思いません。(その人がワインを求めていないのであれば)逆に、飲みたいときであり、ちょうど良く熟成させたものがあるのであれば、記念日であれ、記念日でなくても開けたいです。ワインはそれを飲めるタイミングで飲むのであって、記念日のために存在しません。なので、「今日は記念日なので・・・」というテンプレートで向かい合うことはしません。

 

《価値観》
■共通項■本質はそのものが持っている「美」に価値を感じ、のめりこんでいきます。その美を自分のものにすることで、何かを得ているのでしょう。その下の価値観として、社会的なステータスを得ることを目的にする人もいます。「美」そのものを理解することは困難であり、「違い」を判ることも多くの人には困難です。そのため、多くの人は社会的なステータスしか理解できなかったりします。
分からない人には、何カラットであるとか、カタログ値にばかり目が行きます。でもそれは「美」ではないんですよね。結局その価値を理解しないものがそれを得て喜んでいます。「豚に真珠」とはまさにいい得て妙です。

 

■ワインについて■アンヌグロが言っていますが「どのみち、ワインは教養が無い人には理解されない。正しく言うならもともと教養がある人か、それとも教養に向かって心を開ける人でなければならない」なのだと思うのです。言い換えさせてもらうと、ワインの美を理解できる人というのは、その美を必要としている人にのみ開かれているのだと思うのです。必要としないからその美を認識できない。美があることが認識できない。これは嗅覚や味覚の能力の問題以前に、求めていないからなのだと思うのです。なので、求めていない人が、ワインを飲む必要ないのです。だから、ワインの美が何か分からないから飲むということは起こりえず、ワインの美を我々の内側に理解していて、それを開けるために飲んでいるという表現のほうが正しいのかもしれません。それがアンヌグロのいう「教養」と解釈しています。

 


《消費》
■共通項■宝石は類似する装飾品と比べて格段に高価です。それにもかかわらず一部の人を虜にさせて(宝石を趣味にして)、虜となった人は散財します。ひどい場合、経済破綻することもあります。また価格が高いものがいいという考えに至る人もいます。

 

■ワイン■ワインもその他食材と比べると非常に高価です。しかしながら、宝石が高いことを考えると、それも致し方ないと思ってしまったりします。ワインが高いことがワインを貶めることにはならないので、勝手に高くしてしまった社会的ステータスが悪いのです。

 

《相違点》

ただ相違点もあります。

①消費によってなくなる/なくならない

宝石は消費によってなくなりません。何回でも使いまわせ、相続したり、質にながしたりできたりします。無くならないことで、この地上に執着しているかのようです。ですので、ワインが消費によってなくなってくれてよかったと思います。消費されて物質として消えるとき、存在が昇華され、天使の歌となるのだと思います。そういうワインが美しいではないですか。

 

②楽しみ方が視覚/味覚嗅覚

視覚的な生き物の人は宝石のほうがいいのかもいれません。

 

③女性/男性がはまる。

女性が宝石にはまり、男性がワインにはまるというイメージがあります。
本当に宝石に女性がはまりやすいのか・・・ということは正直よくわかりません。
もっというと、宝石の美を見出す人は、女性に多いのか、よくわかりません。

ワインに関しては、はっきりいえます。男性にワインを美でありワインごとの相違を見出す人が多いです。女性は味覚嗅覚が優れているのかもしれませんが、心の底からそれを求める人に、あまりお会いしたことがありません。

これに関しては、宝石/ワインという対立軸が間違っているかもしれません。

人と人間関係/モノに対して、それぞれ、女性と男性が入れ込む傾向にあるといった方がいいかもしれません。(ただ個体差があるので一概に言えません)

女性的な視点からすると、誰とワインを飲むかが重要なのかもしれません。
そして、どんな料理をともにし、どんな会話をして、それが何かの記念日であったりすることが喜びを得られるのかもしません。
自分は、誰と飲んでも、どんな料理とともにあっても、どんな会話であろうが、記念日でもなくても、ワインが素晴らしければハッピーです。逆にどんなにその場が素晴らしくても、ワインがNoであれば、後悔していたりします。そのモノ自体が大事であると思っています。

これは極端な視点ですが、関係性の中に身を置き調和が取れることに喜びを感じる女性性と社会的不調和を介さず追求する男性性の違いだと思います。(なお男性であっても女性性を有していますし、女性でも男性性を有していたりします)

 

そういういみで、視覚的な美であることが、女性が宝石を好きという理由にはならないのだと思います。