ブルゴーニュワインの感想 改めて、テーマ見直し中

     このブログと私は行き先不明です

グランクリュを否定しない

プティラルロを飲んで、ブルゴーニュの基本を想う。

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グランクリュは面白くない」

という見方がある。それは、「想定通り」「パワフルで好みではない」「王道でかっこ悪い」「高い」といった意味だろうか?だが邪念を払い、正常思考で、良いブルゴーニュとは何だろうかと問うとき、やはりグランクリュはいいという結論になると思う。

以前、田中さんに「斜面の上部、中部、下部どこがいいですか?」と聞いてみたところ、最近奇をねらう田中さんが、「中部」と恥ずかしくもなく言い放ちました。「それは、上部は軽いし、下部は重いから」と、これまた、当たり前の回答をされたことを思い出します。

ブルゴーニュは、斜面の中部が良い区画であることは、普遍的に正しい。大体、±10mあるかもしれないが、標高280~300mくらいのゾーンが中部ではないかと思う。例外をあげるなら、ニュイサンジョルジュ(ヴォーヌ側)が-10mである。

斜面中部の場合、上部と下部をブレンドする必要がない。ブレンドすると、えぐみなどになる。例外として、エシェゾーでは、中部であっても単調な味わいであるがため、上部をブレンドしてあげないと、球体感が出てこない。即ち味わいが欠落している。逆に、クロドタールのような上から下まであるグランクリュは、中部だけで作ったものを特別キュベとして出したら、ロマネコンティに匹敵する尋常ではない味わいを出せるのかもしれない。

ということを踏まえるならば、斜面中部で選りすぐりの畑であるグランクリュはやはり素晴らしい。また、ブルゴーニュに興味があるなら、他の斜面のグランクリュではない中部を試してみたい。そこはグランクリュではない故にお金もかけられていないかもしれないが、ある種共通する球体感=欠損のなさは感じられる。

中部を知って、上部の一部の突出した個性を楽しみ、下部の香りの欠如した個性を料理と楽しむというのも通である。また、下部の畑であっても好きな斜面のの個性を見出し、お気に入りにするのもいい。

 

ブルゴーニュ愛好家で、ACブルゴーニュで村名、村名でプルミエのクラスの品格があるとき、「クラス越え」というような表現をしてほめたたえるが、少し寂しい。村名には村名らしさがあるべきであるのに。またACブルゴーニュをたたえるのも、畑の差異を大事にする方向性と異なっている。(とはいえ、昔(1970年くらいまで)は、適当なボトリングで売られていたので、リューディを重要視するのは最近復権したものなのかもしれない。)