ブルゴーニュワインの感想 改めて、テーマ見直し中

     このブログと私は行き先不明です

Domaine Du Chateau De Choret

f:id:machiya11:20180102144710j:plain

2010 Bourgogne Chateau Germain  Domaine Du Chateau De Choret


1年ぶりに抜栓しました。

1年前(だったと思うのですが)は荒いタンニンが目立ち面白くなかったのですが、このボトルにおいては、タンニンがこなれてきておりとてもチャーミングになっております。

タンニンが消えると堆積粘土の土壌がストレートに表現されており、石灰岩土壌の気質の激しい・険しい味わいとは対極的に、優しく引っかからない味わいになっています。

昨年の86ボーヌを飲んだあたりから、粘土質土壌でタンニンを優しくしたものが気に入っています。しばらくはこの辺りを楽しみたいです。


ところで、前回に飲んだショレからこんな仕上がりに化けるとは、正直なところ想定外でした。まだまだだなと、思いました。残るショレを後何年後かに飲み行く末を見届けたいと思います。



キャトルフィーユ ブラインドの会

f:id:machiya11:20171229214623j:plain



2017/12/29

場所:キャトル・フイユ


1. Diadems Champagne Dosage Zero Brut

ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%。シャンパーニュ南部モングー村。

味わいに芯はなく、しかしながら、深み、奥行きがある。

シャルドネの厳しさ、そして芯の堅さを感じさせなかったため、ブランドノワールかと思った。

素朴にしてちゃんとしたぶどうの果実からつくられていることに感心した。


2. Diadems Champagne Cuvée Rosee Brut


最初は古酒かと思ったが、ロゼであった。

単体で飲むにはクセがあり楽しくないものの、塩加減が強くコクのある食べ物と相性がよく、なかなか面白い。

1のものは透明で単体で楽しむことを想定したワインで、こちらは食事を前提にしたシャンパーニュであった。

造りやブドウの質も高く、侮れない。


3.2014 ジャンシャルトロン ピュリニーモンラッシェ クロ.デュ.カイユレ

前回田中さんのセミナーにて、2015年の補糖を必要としないビンテージと補糖を必要とした14年の違いを比べた時には14年の日本酒くさいアルコール感が顕著に感じられました。それが補糖によるアルコール発酵とブドウ由来の自然なアルコール発酵の違いであるということで、いったん、気付いてしまうと、14年の白のヤバさに耐えれなくなりました。

このシャルトロン14年についても日本酒感は多々あり厳しいと感じました。補糖によるアルコール感はリリース直後のみなのでしょうか?その点も気になるところです。


日が当たらないヴィンテージを今後も買うべきなのか、悩みます。


4.2001 バタールモンラッシェ 生産者不明


酸化が進んでおり、80年代かと思いました。

力強さはなく、上顎に吸収されるような個性で、下方に力強く根をはる構造ではありませんでした。ミンティ、 レモン、そんな個性が強調されていました。


ブラインドだったので、思い浮かんだ選択肢は

・粘土で標高が高い場所

でした。

該当するのはムルソーぺリエールでしたが、どうも香りの方向性が違い、ピュリニーを思わせるため、再考しました。


・クリオバタール

が浮かんだのですが、酸化傾向の味を曲解しコルトンシャルルマーニュものこしていました。出題者に区画は広いか聞いたところ、広いとのこと。とすると、クリオバタールはなく、???。コルトンも香りの方向性から違う。


香りから絞りなおすとピュリニー。

味の構造から標高が高いはず。

その上で区画が広いのであれば、フォラティエールしかない。

フォラティエールで、樽香が前面に出ないこの作りからすると、シャルトロンかと思いました。


そもそもにして、標高の高さを見誤ったことが失敗。


バタールであってもこういったものがあるということは今後気にしないとけないということがわかりました。ピュリニーモンラッシェは標高が低いからといって、低さを感じさせないケースがあり、このバタールにおいてもありえるということが発見でした。


.2013年ドメーヌ・ポワゾ ロマネ・サンヴィヴァン


これが、まったく、標高の低さを感じさせない、むしろ300m以上の標高に感じさせる冷たさ。サンヴィヴァンの概念自体を覆す、問題作。

こんな駄作ワインをよくも作ったなと。

これが駄作中の駄作であると思わせるのは、全くブドウが完熟していない/日が当たっていないと感じるところにある。当然ながら超一流のロマネコンティの下にあるわけで日が当たらないはずはない。13年であるから日照量がすくないとしても、ちょっとそれだけでは説明がつかないので、早摘み+補糖が想像されます。


あとトラペ・2007年シャンベルタンとデュジャック1994年クロサンドニがあるのですが、以下省略。

なぜ男がワインにはまるか

高級ワイン会になると男率が上がる。経験上2万円が一つのボーダーラインの気がする。高級ワインを飲むことがイコールワインにはまっていることの例外事例は多々あげられるものの、ワインにお金を多く投資するというのは、ワインに価値を認めているといえる。

 

例えばこまごまと、ねっちこく、ブルゴーニュを追うのは男が多い。

広く浅く、美味しければいいというのは女性に多い。

 

なぜなのだろうか?

 

武田さんいわく、人間の女性には性欲があり、男性は女性によって誘導させれる誘導型性欲で、誘導する人間の女性には誘導するための「美」があり、男性はそれを得るために、リソースを提供するそうである。ひと昔いわれた3高はそのストレートな表現といえる。

人間の女性は美を備えることに一生懸命である。

人間の男性は美を追うことに一生懸命である。

ワインとは美であり、美を追うものは人間の男性性といえる。

人間の女性は美を追わない。

なので、女性がワインを好きであっても、それは美を追うことが目的ではなく、美容にいいとか、それがステータスであるとか、社交の場であるとか、美味しく食べるための一つの手段であるとか、そういったスタンスとなる。

それはワインの美を追い求めるのではない。美は自信が備えるものであり、追うものではないためである。

 

なので、女性はワインを追わないのではないだろうかと思う。

結婚した男性がワインにはまるのも分かる。

公的に別の女性を追い求めるわけにはいかない。

 

昔からワインを女性に例えることがされているが、それは正しい。

Good

f:id:machiya11:20171105160711j:plain

1964 Besserat de Belfon Reserve  ×

酸化している。シャンパーニュにはよくある内容。

 

1940 P.A.Andre Nuits-St.-Georges★★★★★

最初は土臭く籠った香りで味わいも微妙であったが、10分ほどして霧が晴れたようにチャーミングな赤果実の飲み物に変身。すでに殆どタンニンは消えている。全く傷一つなく最高のコンディション。清楚であり処女性を感じさせる。

こういうワインは、少量口に含むと、淡く切ない気持ちにさせられます。

 

1982 Moillard-Grivot Charmes-Chambertin★★★

まだしっかりしたタンニンを感じさせ、20分程度しタンニンがほどけました。さらに時間を置くと獣臭がでてきます。なかなかよいです。

 

その他2品ありますが、ま、上の二つがよく、省略。

ありがとうございました。

f:id:machiya11:20171105163252j:plain

アルマン・ルソー

2000リュショットをいただいて、あまり心に残らない、事が印象的でした。

どうも表層的な味わいで、内側からくるエネルギー感が無く、

こんなものなのか?、と思わせられます。

 

よくわかりません。

2000 アルマン・ルソー・リュショット・シャンベルタン

f:id:machiya11:20171026153009j:plain

 

2000 リュショット・シャンベルタン アルマン・ルソー ★★★★

香木、水墨画的。

 

2017年10月26日抜栓なので、収穫から17年の歳月が経過している。

リリース直後はチャーミングでエレガントなルソーが、17年の歳月を経て、果実味を削り、タンニンを丸くしていく。その結果、果実味は主体とならず、骨格が残り、香木と墨の香りが占め、墨の濃淡で描かれる。そして香木の香りの要素が、妖艶さを表現し、水墨画的で朴訥としつつ妖艶というスタイルが出来上がっている。

味わいはうすく、まだ失っていないタンニンが顔をだしつつも、要所要所で甘い味わいと墨のような鉱物感が顔をだす。この甘みが尾を引き、余韻となる。

 

華やかな要素は持ち合わせているものの、内向的な性格である。
シャンベルタンとは対極で、大柄、力強さを語らない。また単純な味わいの構成である。それらの軸から評価すると大したことのないワインともいえる。
一方で、枯れた香木のようなスタイルを良しとするなら、チャレンジする価値はある。

04デュジャック

f:id:machiya11:20171016221208j:plain


デュジャックの04、コンボット(ハーフ)とグリアンシエール(フル)を頂きました。


どちらも以前飲んでおり、記憶にあります。

グリアンシェールはシャンボールを探求する契機になりましたし、コンボットは同ヴィンテージのトルショーシャルムと比べ、ともに近いレベルであった記憶があります。

その後、数年をおき、再度コンボットを頂きました。そのときは香と味わいが弱く、ハーフだからもうだめなのかな、とろびさんと話していました。

そこからまた数年経過しました。


コンボットは深く重さを纏い、赤果実がひそめ、チャーミングなワインから、生まれ変わろうとしているところでした。

リーデルのグラスではその高貴さを表しきれず、ロブマイヤーが必要となっていました。

まだ、この後の伸び代を感じさせました。


グリアンシェールは、コンボットほど重くなく、若い頃に感じさせる、シャンボール特有の硬さが落ち、赤果実中心の可愛らしい味わいを見せていました。

高貴であり遊び心を感じさせるのはコンボットと同じでした。


前回コンボットの不調は、同ロットのため、軽いブショネと結論づけました。


久しぶりにデュジャクがいいと思いました。




ここ最近、ロブマイヤーではなく、リーデルのグラスの良さに目覚めてからというもの、リーデル一辺倒だったのですが、この二本のワインはリーデルではなくロブマイヤーがぴったりでした。ロブマイヤーでいただくと、香りの要素が結合し、より高貴な味わいに昇華します。

リーデルがいい、と思っていたのは、トルショーやジョルジュミュニュレのような農民のワインを飲んでいたからですね。貴族のワインはリーデルでは表現しきれなく、ロブマイヤーを必要としているようです。さすが遊び人、さすが天才。久しぶりにデュジャックが美味しいと思いました。

 

細かいコメントはないわけではないのですが

デュジャックというワインはそうやって四の五のいうことがばかばかしくなるような個性をしていて、美味しいからいいじゃないか、美しいからいいじゃないかというような享楽性の高いスタイルになっておりました。

 

 

99

f:id:machiya11:20171010224649j:plain

1999 リショットシャンベルタン ジョルジュ・ミニュレ ★★★★

興味はなかったものの、抜栓したところ、素晴らしかった。

タンニンはその存在をけとられず、
素朴で清楚でチャーミングな赤果実が主体。
味わいは球体的で、余韻は適度に長い。
そもそもリショットで球体的ということが特筆すべきところである。

標高が高くついつい腰高になりバランスを欠くクリュであるにもかかわらず、ヴィンテージの追い風をうけてか、球体的に仕上がっているのである。
味わいにはストレスを微塵にも感じさせず(幸いにしてコンディションがいい)、
この年の開花の良さや水不足に苦しんだという苦難がなかったことを連想させられる。
95のような年など、飲んでいると苦しみを感じさせるものになる。
そういういみで、99は最高である。

今まさに飲み頃の入り口にこのワインは差し掛かっている。

 

f:id:machiya11:20171008204628j:plain

向き不向き

味覚は弱い感覚だそうです。

 

食べ物の味はほぼ「視覚」で決まる!味覚の割合はたった1%だった… - NAVER まとめ

 

・食事のときに働く五感の割合は視覚がもっとも高く、一説にはその割合は80%から90%にまで及ぶという

・食事の際の五感による知覚の割合はなんと視覚が83%、聴覚が11%、臭覚3.5%で味覚はなんと1.0%

・その証拠に、目隠しをすると食べ物への感覚が鈍ってしまう

・「美味しさ」を感じる要因として、色が大きな割合を占めている

・食の感覚的環境を100%とした場合、料理の割合は5%、食器・カトラリーは25%、残りは周りの環境(景色など)と言われています

・色や盛り付け、環境などの要素も取り入れてみると更に美味しい料理がいただけるかも♪

 

とのこと。

おお、なるほど、全く共感できませんが、「誰と飲むかが重要」「サービスが大事」とかいうのは、味覚が無いからなんですね。

(味覚が無いなら、わざわざあんな高いもの飲まなくてもいいのに。)

 
逆に、味覚が強い人は、視覚的な働きが弱いのかもしれません。どちらが優れた人間というより、能力の偏りという方が正しいかもしれません。だから味が分からなくても全然問題ないですし、むしろ絶対音感があるとか、別の違いが分かりそうです。
(私はまったく、音感が分かりません。リズムもずれます。ああ・・・)
 
不幸なのは、視覚or聴覚に特化したのにもかかわらず、適性のないことに執着することです。いえ、それをやるなというわけではありません。無理にそこで頑張らなくてもいいではありませんか。30にもなれば、大よそ自分の向き不向きは分かるものです。
 
 

ブルゴーニュ赤の古酒が好き

少し気温が下がり、ピノノワールが飲みたくなってきました。

一方でシャンパーニュは少し飲みたくなくなってきました。

夜の道を歩くと、きんもくせいの香りが際立ち、ブルゴーニュ赤の古酒が飲みたくなります。

 

ブルゴーニュ赤の古酒は、酸化していなければ、傷一つなくヨードや鉄の香りが無く、どこまでも清純な味わいという印象、というよりそうであってほしいという想いがあります。

強い年やテクニカルな造りではなく、その反対の古酒、20年以上たったものには、遠くにある夜の金木犀の香り・・・、切なさや憧れや清純さや消失感が入り混じった感情が動かされます。

私はそこに生へのエネルギーではなく、霊的な方向への憧れがあります。

故に、夏には似合わずこれから冬に向けて内に、内に向いていく、この時期があっているのでしょう。それは真冬ではなく、これから冬に転換していく、ジェットコースターでいえばピークから降下していくそんな初動です。

一見弱く薄く、香りもインパクトが無いワインであっても、時に耐え、官能的な世界を見せてくれるそんなワインが好きです。