2000年以前の黄金期
先週、田中さんのセミナーで2011年のムルソーを飲んだ。
そこで見たムルソーは、自分の知るもの、むるむるしたムルソーではなく、ピュリニーを頂点に目指した、表面的なワインでしかなかった。確かに、バトナージュしないものを求めていた。それを近年のムルソーはやっており、それはいいのだが、それとは別の次元で、大量生産、人工的な工場製品を想起させた。1er縛りのブラインドでは薄いムルソー中央部と思ったが、それはシャルムであり、ペリエールであった。
90年代のラフォンに代表されるムルソーは、そんなものではなかった。
この日の93年ラフォンは、工場製品にはない、気品や発散するエネルギーを有している。このラフォンと比べると、ミュジニーブランに欠如した気品や力も明らかにわかる。やはりミュジニーブランはグランクリュではない。枠組みはグランクリュに近いものを持っているが、その中身、充実ともに不十分である。
そして嫌いであった、バールも、2011年ムルソーを思い返すと、今では愛おしい。
今後、少なくなっていくワインを指折り、飲み締めくくっていくことになる。
Rさん、今後ともよろしくお願いします。
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後日追記
振り返ると、このラフォンはピュリニー的な繊細さと透明感も併せ持ち、いつものラフォンからは出来過ぎの印象があった。これを基準に考えてはいけないと思った。